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あなたに見せたいホラー映画

 学園祭で上映会を開くと、お客さんの中に普段あまりホラー映画を見ないという方が多いことに気づきます。「怖いのがヤダ」「グロいのがヤダ」という気持ちはよく分かりますが、こんなにも面白い一大ジャンルを丸々見ないでおくのはやっぱりもったいない!
 そもそもどうして僕がホラーにこだわるのか。それは「ホラーが面白いから」です。ではホラーのどこが面白いのか。その答えは面白いホラー映画を見れば自ずと分かります!
 ここでは主に僕がたどってきたホラー映画道に沿って一度は見ておきたい名作を紹介していきます。ホラーなんて絶対見たくないというあなた!興味はあるけどどれから見ればいいのかわからないあなた!マスコミにだまされて「ホラーは人に悪影響を与える」とか思っているあなた!ゾンビといえばバイオハザードだと思っているあなた!『悪魔のいけにえ』でなく『テキサスチェーンソー』と言っちゃうあなた!「好きなホラー映画は『SAW』です」とか言っちゃうあなた!そんなあなたに見せたいホラー映画!


参考文献 

ホラー映画の世界に足を踏み入れる前に、大きな助けとなる名著を紹介します。

・「新映画宝庫vol.3 スプラッターカーニバル 悪夢映画流血編」(MILLION MOOK)

古今東西のホラー映画が網羅された、まさにホラー映画の百科事典。作品情報やレビューがみっちり詰まっていて大いに参考になります。これ一冊あれば道に迷うこともないでしょう。僕が『死霊のしたたり』の存在を知ったのもこの本のおかげです。今もお世話になります。

・TSUTAYA シネマハンドブック

昔TSUTAYAで会員証を更新したらもらえたのがこのシネマハンドブック。今はポイントが貯まるともらえるみたいですね。僕はこの「洋画編1999」がある意味ホラーに興味をもつきっかけになりました。こういう映画カタログを見ると思わずちょっとエッチぃのとかヤバげなのがないか探してしまうのが小学生男子の常だと思うのですが、僕にとってこの本のホラー編がかなり強烈で、殺人やエログロを扱った映画がこの世にゴロゴロ存在していてしかもそれらはビデオ屋さんで普通に借りることが出来るというのを知って、まだ未熟だった僕は「信じられない」という思いを抱くと同時に、「見てみたい」とも思ったわけです。「洋画編1999」にはさらにジャンルごとにランキングのページがあるのですが僕でも知ってた『シャイニング』『13日の金曜日』(テレビでもやってましたね)の他に『サスペリア』『死霊のはらわた』『悪魔のいけにえ』というまったく聞いたことのない不気味な映画たちが人気ベスト5として紹介されていて(しかも『いけにえ』は1位!)、その未知なる世界に一気に興味を引かれたのです。
これは一度見てみなあかんぞ、と・・・・・・


『ハロウィン』(1978)

 僕が「ホラー映画見るぞ」と意識して見た最初の作品がこれ。当時中学生の僕はTSUTAYAのホラーコーナーでこの映画と『悪魔のいけにえ』とどっちを借りようか迷ったのですが、『いけにえ』の箱からはマジで人が殺されてそうな危険なオーラを感じて、ホラー初心者には重すぎるということで断念してこちらを選びました。
 『13日の金曜日』のジェイソンや『エルム街の悪夢』のフレディなどの80年代殺人鬼ホラーの先駆けとなった作品、と当時の箱の裏に書かれてましたが、これはまさにその通りです。殺人鬼が若者たちを次々に殺していったり、泣き叫ぶヒロインをしつこく追い回すといった今日でもよく見られるホラー映画のひとつの典型(いわゆるスラッシャー)がこの作品一本に凝縮されています。最高に洗練された無駄のない形で描かれるスリルとサスペンス。ユーモアを排した冷徹な語り口。茶化したり突っ込みを入れる余裕もないくらい、怖いです。これ一本でホラーの面白さを存分に味わえるので、初心者の方が最初に見る作品にぴったりです。派手な流血や人体破壊がほとんどないので、汚らしいのが嫌いなあなたも安心して楽しむことができます(汚らしいのを見るのはもっと後でいいです)。 
 オープニング、暗闇の中で不気味に光るハロウィンのかぼちゃ、そこに流れる不気味で美しいテーマ曲・・・・・・・・な、なんて格好良いんだ!その時僕の心に刻まれたのは「ホラー映画は格好良い」ということ。邪悪な者がうごめく闇の世界は、怖いと同時にいつまでも浸りたくなるような魅力に溢れているのです。


『悪魔のいけにえ』(1974)

 ついにこの映画について語るときがやってきた・・・・。
 『ハロウィン』を見て「ホラーは面白い」という確信を抱いた僕は、さらに勇気を出して『悪魔のいけにえ』と『ゾンビ』の二本を借りました。
 同じ低予算でも構図や演出が整っていた『ハロウィン』に比べ、この『悪魔のいけにえ』はもっと荒々しいざらついたタッチで撮られており、映画の主人公たちと同様に、見てはいけないものを見ている、入ってはいけない場所に入ってしまっている感覚が味わえます。知っている俳優が誰も出てこない映画を見ることの恐怖もあります。
 この映画の一番すごいところは、後半に延々と繰り広げられる殺人鬼レザーフェイスとヒロインの追いかけっこです。林の中を逃げまくるヒロインとそれを追うレザーフェイス、追いつきそうで追いつかないギリギリの距離感。あるカットでは本当に距離が縮まっていくように見え、「最後に生きてるヒロインは絶対助かる」などというホラー映画のルールを忘れさせるほどの危機感がそこにあります。ちなみに、追う方と追われる方が1つの画面に収まる正面からの見事なショットは、『血みどろの夜』で真似しました。
 ここからクライマックスまで映画は一気に突っ走ります。まともなセリフはなくなっていき、ただヒロインの絶叫とキチガイたちの奇声だけが響き渡ります。物語はヒロインの命運の一点に絞られ、目を離す暇も与えません。果たしてヒロインは助かるのか?ラスト、傍らで途中参加していた祖母までが思わず「危ない!」と声を上げたその一瞬!ひえ〜!・・・・・ここは本編を見て確かめていただくとして、僕はこのとき本当に面白い映画の吸引力というものを知ったのでした。


今後のラインナップ(とりあえずの予定)

『ゾンビ』

『サスペリア』

『死霊のしたたり』

『ブレインデッド』

『デモンズ95』

『ネクロマンティック』

『ホステル』

『片腕マシンガール』

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